ウェブサイトを見た人との信頼関係を築くことが寄付につながる

佐々木:実際にどのようにして支援者を募ったのですか?

宮田:チャイルドドクター制度の支援者が3000人いらっしゃるんですが、一斉メールを送りました。約1割の方から反応があって、結局、3日間で当初の目標が達成できました。

佐々木:既にチャイルドドクター制度を使って支援していた人と、全く新たに寄付をしてくれた人との割合はどのくらいでしょうか?

宮田:半分半分です。
先ほど、この会場にあるカフェの定員さんが、入り口の外に立っていました。彼に聞いてみたら、外に立っているとお客さんの入りが違うんだそうです。店員さんがいると、何だろうと思って、中に入ってみようかな、買ってみようかなとか、となるわけです。

援助の場合は、実は、その次の信頼関係が大事なんです。
クラウドファンディングでは、支援を呼びかけるウェブページに、僕が伝えたいことが書いてあります。けれども、新しく寄付しようと考えている人にとっては、これまでのサポーターが僕たちの活動をどのように思っているのかが大事で、それを知るために「コメント欄」を読んでいるという印象を受けました。
コメント欄に、例えば、「普段子供たちを支援しているけれど、助けられているのは自分の方です」「支援するだけじゃなく、自分にとってもプラスになっている」、といったことがたくさん書かれていると、ここは信頼に値する団体なんだと感じてもらうことができる。それが、お金を出すという次のアクションにつながったんじゃないかと思います。
チャイルドドクター制度を通して、うちのスタッフたちが、日頃から支援者と繋がっていい関係を築いていたんだ、いきなりやってうまくいくものは無いんだなと思いました。

佐々木: 宮田さんは、新しくクラウドファンディングによって集まった男性脳を持つ方々にもチャイルドドクター制度の支援者になってもらいたい、とおっしゃっていました。僕は、それって矛盾じゃないですか?と当時、申し上げたんですよね(笑)。

宮田:クラウドファンディングをこれから始めようという人が陥るところだと思うんですが、クラウドファンディングは1回の募金です。私たちみたいな継続的なプロジェクトを行っている団体には向かないんです。医療支援というのは、1回だけではなく継続募金が必要ですから。国際的なNGOにヒアリングしたことがあるんですが、1回の募金をした方が継続募金に変わる可能性は、非常に少ないと聞いています。

佐々木:今後、クラウドファンディングに継続支援を受け付ける機能が追加されれば、クラウドファンディングが担う役割ももっと広がると思います。