自分達の活動の本質を突き詰めて考える

宮田:クラウドファンディングの運営会社の担当者は、お金が集まるまでのウェブサイトの作り方や文章の書き方、掲載する写真など、様々な形でアドバイスをしてくれますが、お金が集まった後は団体任せになり、僕たちの業務は、ものすごく増えます。
もともとお金も人もない中で業務だけが一気に増えるので、そうしたことを予め覚悟しておかなければならないと思います。

佐々木:数字的にみると目標金額よりたくさんのお金が集まったが、リターンを返さなければいけない人の数も増えたということですね。

宮田:そうなんです。とにかく業務を減らそうと、僕たちの場合は、名刺は製作から配送まで外部に依頼しました。

また、私たちが一番に心掛けたのは、サンクスレターです。支援してくれた人の名前がアフリカに届いているということを示すために、支援者の名前を書いたメッセージを持った子どもの写真を撮影し、支援者一人一人に送りました。
もらった手紙は写真の添付1枚ですが、自分の名前を子供たちが持っているというのは、すごい感動なんです、手にした時の衝撃があるようです。
業務量をできるだけ増やさないように、支援者には最大限喜んでもらえるように努力する、それを考えておかないといけないですね。

佐々木:それを最終的には456人に送った。
もともとチャイルドドクター制度で手紙をやり取りするノウハウがあったからこそ対応できたんですね。こうした対応ができないところは、リターンがおろそかになってしまいます。

宮田:チャイルドドクター制度による支援は、継続率が前月比で98%以下になったことがありません。女性脳は見捨てないんですね。
一方で、男性脳は突破力があり、地震でお金を送るとなるとそれに集中する、言い換えれば、忘れ去られてしまったらお金が集まらないということです。
女性脳の場合は、自分の子供もアフリカの子どもも東北の子どもも、一旦自分にとって大事だと認識すれば、金額はそれぞれ違うけれども並行して長期的に続けてくれるんです。

僕は、自分たちの活動が何なのかと突き詰めたときに、子どもたちに対するお金は、この人たちから届けてもらおうと思いました。
大事だと認識してもらうために使ったのが手紙で、頻度を上げて手紙を送ることで関係性が築けるようにしました。インターネット上に翻訳ボランティアが数百名名いるので、最短3日くらいで手紙が翻訳されて届くんです。
速さと頻度によって、子どもたちとの距離の近さ、関係性を強く感じてくれたら、女の人は本当に強いんです。

〈了〉